こんにちは!
全国各地のご朱印、お城印集めが趣味の神宮寺城一郎です!
御朱印帳づくりに携わる者として、もっと御朱印集めが楽しくなるように、訪れた寺社仏閣の魅力や、私たちが手がける御朱印帳のこともお届けしています。
今回訪れたのは、京都市右京区に鎮座する「車折(くるまざき)神社」です。
学業成就や金運、良縁など幅広いご利益で知られる一方、境内にある「芸能神社」は、芸能・芸術分野で活躍する人々から厚い信仰を集めることで有名。朱色の玉垣に芸能人や著名人の名前がずらりと並ぶ光景は、車折神社ならではの見どころです。
この記事では、車折神社の御朱印のいただき方をはじめ、実際に参拝して感じた境内の見どころや、参拝前に知っておきたいポイントをご紹介します。
京都で御朱印巡りを楽しみたい方は、ぜひ最後までお付き合いください!
車折神社の御朱印|受付場所・時間・種類を紹介
車折神社の御朱印は、本殿のすぐ近くにある社務所でいただくことができます。
境内を進んで本殿へお参りした後、そのまま立ち寄りやすい場所にあります。こちらでは御朱印だけでなく、願いを込めて持つ「祈念神石」をはじめ、各種御守や授与品も扱っています。車折神社は参拝者の多い人気の神社だけに、時間帯によっては社務所の前がにぎわうことも。御朱印をいただく方は、少し時間に余裕を持っておくとよさそうです。
社務所の受付時間は、通常9時30分から17時まで。正月期間は時間が変更されるため、その時期に参拝する場合は事前に公式サイトで確認しておくのがおすすめです。

車折神社では、御本社である「車折神社」の御朱印に加えて、境内社「芸能神社」の御朱印もいただくことができます。
芸能神社は、芸能・芸術の祖神として信仰される天宇受売命(あめのうずめのみこと)をお祀りする神社。境内には芸能人やアーティストなどの名前が記された朱色の玉垣がずらりと並び、車折神社を代表する見どころのひとつになっています。芸能神社の御朱印も用意されているので、両社を参拝した記念にそれぞれいただくのも良いでしょう。
この日は少し迷った末に、まずは車折神社の御朱印をいただくことにしました。
御朱印帳をお渡しすると、その場で丁寧に直書きしていただきました。初穂料は300円。

いただいた御朱印は、中央に堂々と「車折神社」と記された端正な一枚。その中でも目を引くのが右上に押された小さな車輪の朱印です。朱色でぽんと添えられた車輪が、なんともさりげなくてかわいい!
車折神社という印象的な社名は、後嵯峨天皇が大堰川へ行幸した際、社前で牛車に異変が起こったという故事に由来すると伝えられています。御朱印に押された車輪の意匠を見ると、「車折」という名前を持つ神社ならではの一枚だと実感できます。
華美な御朱印ではありませんが、墨書きと朱印のバランスがすっきりとしていて、その中に小さな車輪がアクセントとして効いています。

車折神社は、平安時代を代表する学者・清原頼業公を御祭神としてお祀りしています。そのゆかりから境内には王朝文化の香りが息づいています。また、後嵯峨天皇の牛車の轅(ながえ)が社前で折れたことが「車折神社」の名の由来と伝えられています。そんな車折神社の参拝に持参したいのが、「金扇御所車柄」の御朱印帳です。
車折神社の参拝に持参したい御朱印帳
友禅和紙御朱印帳「金扇御所車柄」
今回ご紹介するのは、金地に華やかな扇と御所車が描かれた友禅和紙御朱印帳「金扇御所車柄」です。
御所車の意匠は、車折神社の社名に通じる「車」を連想させ、平安の気品を今に伝えます。

「御所車」の描かれたこの御朱印帳は、その歴史との縁を感じさせる一冊です。
また、金色の扇は運気の広がりや繁栄を象徴し、「約束を違えない神様」として信仰される車折神社のご利益である学業成就、商売繁昌、良縁成就への願いを託すのにもふさわしいデザインです。
平安の雅と車折神社の由緒を感じられる特別な御朱印帳としておすすめします!
この御朱印帳は、Amazonや楽天市場でも購入できます。車折神社参拝のお供に、ぜひ手に取ってみてください。
さて、最初に御朱印を紹介しましたが、御朱印は本来参拝を済ませてから頂くもの。
ここからは車折神社参拝のためのアクセス方法のほか、神社の魅力や見どころ、御朱印を頂くところまでをたっぷりとご紹介していきます!
どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください!
車折神社へのアクセスと基本情報
【車折神社の所在地】
〒616-8343 京都市右京区嵯峨朝日町23
【車折神社の電話番号】
075-861-0039
(9:30~17:00)
【車折神社への電車・バスでのアクセス】
JR京都駅より
●JR山陰線(嵯峨野線) → 嵯峨嵐山駅 →乗換→ 京福電車・嵐電嵯峨駅(四条大宮行) → 車折神社駅下車
●京都バス(71番 72番 73番) → 車折神社前駅下車
嵐山方面から
●京福電鉄 嵐電・嵐山駅 → 車折神社駅下車
【車折神社の駐車場】
参拝者専用の無料駐車場あり。(参拝目的以外の駐車は固く禁止されており、レッカー移動される場合もあります)
●利用時間 9:30~16:30
●駐車台数 約30台
●アクセス方法 三条通に面した表参道側の鳥居から境内へ入り、進むと右側に駐車場があります。京福電車・車折神社駅側の裏参道からは車の進入ができないので注意。満車の場合は周辺のコインパーキングを利用しましょう。
車折神社のご由緒
車折神社の御祭神は、平安時代後期の儒学者・清原頼業(きよはらのよりなり)公。頼業公は、優れた学識と実務能力を備えた人物で、朝廷では文書や記録などをつかさどる「大外記」を24年間にわたって務めました。その才覚は当代随一とも称され、関白・九条兼実からも高く評価されていたと伝えられています。
頼業公は1189年(文治5年)に亡くなり、現在の車折神社がある地に葬られました。その後、廟所には「宝寿院」という寺が建てられ、頼業公を祀る場所として信仰を集めるようになります。
また、頼業公は桜をこよなく愛した人物でもあったのだとか。そのため廟の周辺には多くの桜が植えられ、「桜の宮」と呼ばれていたそうです。
現在の「車折神社」という社名には、ある印象的な逸話が残されています。後嵯峨天皇が嵐山へ行幸された際、この社の前で牛車の轅(ながえ)が突然折れる出来事が起こりました。これをきっかけに「車折大明神」の神号が贈られ、やがて「車折神社」と呼ばれるようになったと伝えられています。御朱印の右上に、小さな車輪の朱印が押されていたのも、こうした社名の由来を思うとより印象的に見えてきます。
車折神社は、学問に秀で、朝廷の実務でも重きをなした頼業公を祀ることから、「学業成就」「試験合格」のご利益で知られています。さらに、車折神社ならではの信仰として知られているのが、「約束を違えない神様」です。仕事上の契約や商売の約束、人との大切な取り決めなど、さまざまな約束事が円満に守られるよう御加護を授けてくださるとされ、古くから信仰を集めてきました。
ここから「車折神社」の参拝リポートがスタート!
「祈念神石」「朱塗りの玉垣」で有名なパワースポット【車折神社の見どころ】
嵐山から車折神社へ向かう。電車一本で行けるのがありがたい。
嵐電の「嵐山駅」から乗車する。おしゃれな駅だ。


構内には飲食店や土産物店もあり、単なる乗り降りの場所というより、ちょっとした観光スポットのような雰囲気がある。

なかでも目を引いたのが、ホームにずらりと並ぶ色鮮やかなポールだ。これは、京友禅の生地を用いた「キモノフォレスト」と呼ばれる装飾なのだそう。

約600本のポールを林に見立て、駅空間全体をやわらかく、はんなりとした光で包み込むように演出している。

柄は一本一本異なり、いかにも京都らしい華やかさだ。時間があれば、どんな模様があるのかじっくり眺めてみたかった。……と思っていたところ、ちょうど電車が到着。名残惜しいが、そのまま乗り込むことにした。

嵐山駅から「車折神社駅」までは、乗車時間にしておよそ4分。本当にあっという間である。

駅を降りると、神社は線路を挟んですぐ目の前。駅名の通り、参拝口まではほとんど迷うことなくたどり着ける。嵐山からのアクセスも良く、観光の途中に立ち寄りやすいのは、車折神社の大きな魅力のひとつだ。

駅方面から参拝すると裏参道を通ることになるので注意。

【神社北入口】緑に包まれた参道から境内へ
車折神社の入口に立つと、まず目に入るのが参道を包む豊かな緑である。木々がつくるやわらかな陰影と塀の格子などの朱色がよく映え、境内へ入る前から落ち着いた空気が漂っている。

鳥居をくぐる。

鳥居をくぐると、その傍らには一対の狛犬が鎮座していた。台座に刻まれた文字をよく見ると、「大正五年七月建」「大阪市南区恵比須町貮丁目」とある。建立から100年以上が経過していることになる。
さらに興味深いのが、その表情である。一般的な狛犬は、片方が口を開いた「阿形」、もう片方が口を閉じた「吽形」で一対となることが多い。しかし、ここではどちらも口を開いているように見える。なかなか珍しい姿で、思わず足を止めて見入ってしまった。


その先の参道には、車折神社を象徴する朱塗りの玉垣がずらりと並んでいる。「芸能神社」を取り囲むこの玉垣には、芸能人や著名人の名前が数多く記されており、見始めるとつい知っている名前を探したくなる。
じっくり眺めたいところではあるが、まずはご挨拶が先。いったん玉垣は後回しにして、本殿へ向かうことにした。
【参拝手順】まずは「清めの社」で心身を整えてから本殿へ
車折神社には、より丁寧にお参りするための「おすすめの参拝手順」があるそうだ。
案内板を見ると、まず最初に向かうのが、本殿へお参りする前に立ち寄る「清めの社」。ここには石でできた円柱状の立て砂が祀られており、悪運や悪い因縁を浄化し、心身を清めるご利益があるとされている。車折神社の中でも特に知られたパワースポットのひとつで、その独特な姿から、写真をスマートフォンの待受画像にする人もいるそうだ。
清めの社で気持ちを整えた後は、授与所で「祈念神石」というお守りを授かる。おまもり型のほか、お札型も用意されている。この祈念神石は、「願いがかないますように」とあらかじめご祈祷されたもので、願い事の内容に特に決まりはないとのこと。本殿では、祈念神石を両手で挟み、心の中で願い事を強く念じながらお参りする。

そして願いがかなった後にも、車折神社ならではの作法がある。身近な場所で拾った石をきれいに洗い、お礼の言葉を書き記して本殿前へ納め、祈念神石のお守りは古札納所へ返納する。使う石は、車折神社の境内にあるもの以外であればよいそうだ。
こうして奉納された石は、将来、本殿や末社を建て替える際などに使われることもあるという。願いがかなったことへの感謝が、今度は神社そのものを支える形につながっていく。単にお願いをして終わるのではなく、感謝まで含めて一つの参拝となっているところが、なんとも素敵である。
ということで、今回はこのおすすめの参拝手順にならって、順番にお参りしていくことにする。
【手水舎】六角屋根が目印の建物
本殿入口の左手にあるのが、六角形の屋根が印象的な手水舎だ。社務所の向かい側に位置しており、境内を進んでいけば自然と目に入る場所にある。
まずはこちらで手と口を清め、参拝の準備を整える。

【清めの社】巨大な立砂が目を引くパワースポット
続いて向かったのが、境内社の一つ「清めの社」。
近づくと、まず目に飛び込んでくるのが大きな円錐形の立砂だ。かなり存在感があり、遠目からでもすぐに分かる。
車折神社は古くから「石」に対する信仰が厚い神社で、この清めの社にも石をモチーフにした立砂が祀られている。ここには「悪運・悪因縁の浄化」や「厄災消除」のご神力があるとされ、境内全体を清める場所として知られているそうだ。

まずは二礼二拍手一礼で参拝。これから本殿で願い事をする前に、いったん余計なものを落として気持ちを整える。そんな意味合いも感じられる場所である。
さらに、この立砂をスマートフォンの待受画像にすると運気がよくなるという話もあるらしい。
【祈念神石(きねんしんせき)】社務所で授かる願いを託すお守り
清めの社で参拝を終えたら、再び本殿方向へ戻り、社務所へ向かう。場所は本殿入口の向かい側で、受付時間は9時30分から17時までとなっている。
ここで授かるのが、車折神社に古くから伝わる「祈念神石」である。名前の通り、願いをかなえる力があるとされる石を納めたお守りで、車折神社の参拝ではぜひ覚えておきたい授与品の一つだ。

受付時間は9時30分~17時まで。

「神石」と聞くと、そのまま石を手渡されるようなイメージだが、実際には身につけて持ち歩ける「おまもり型」と、家や会社などに祀る「おふだ型」が用意されている。おまもり型は800円、おふだ型は600円。
この祈念神石を授かった後、本殿で両手に挟みながら願い事を念じて参拝する。
【本殿・拝殿】祈念神石を手に清原頼業公へ参拝
いよいよ車折神社の本殿へ向かう。本殿には御祭神である清原頼業公が祀られており、車折神社の中でも最も重要な建物。その前に建つ拝殿は、ご祈祷や各種神事が執り行われる場所だ。
現在の本殿は宝暦2年(1752年)に造営されたもので、入母屋造・銅板葺・総檜造。対して拝殿は昭和63年に新築された、こちらも銅板葺・総檜造の建築である。年代は異なるものの、境内の中で自然に調和している。

先ほど社務所で授かった「祈念神石」を両手でしっかりと挟み、神前へ。心の中で願い事を強く念じながら参拝する。ここまで清めの社で心身を整え、祈念神石を授かってきただけに、いつも以上に気持ちが引き締まる。
さらに、賽銭箱の上部にある拝殿の天井画も見どころの一つ。参拝後は、ぜひ少し上を見上げてみてほしい。

本殿の裏側には境内社の「八百萬神社」も鎮座している。また、芸能や芸術関係の願いを持って訪れた場合は、このあと「芸能神社」への参拝も忘れずに。そこでも祈念神石を両手で挟み、あらためて願いを念じるのがよいそうだ。一般の人でも人気運上昇のご利益があるとのこと。

車折神社の参拝におすすめ!
友禅和紙御朱印帳「金扇御所車柄」
芸能上達や学業成就、良縁など幅広い信仰を集める京都・嵯峨の古社、車折神社にぴったりの、雅やかな金扇御所車柄の一冊。社名の由来となった牛車を思わせる御所車の意匠や、繁栄を象徴する扇の華やかさが、御朱印を上品に彩ってくれます。
【芸能神社】4,000枚以上の朱塗りの玉垣は圧巻
本殿への参拝を終えたら、境内社の「芸能神社」へ向かう。芸能・芸術の世界での活躍はもちろん、一般の参拝者にも人気運上昇のご利益があるとされており、車折神社を訪れたならぜひ立ち寄っておきたい場所だ。

御祭神は、古来より芸能・芸術の祖神として信仰される天宇受売命(あめのうずめのみこと)。天照大御神が天岩戸に隠れ、世界が闇に包まれた際、岩戸の前で舞を披露して場を盛り上げた神様として知られている。その賑やかな様子に興味を持った天照大御神が岩戸を開き、再び世界に光が戻ったという神話はあまりにも有名だ。

芸能神社は昭和32年(1957年)に創建され、現在では俳優、歌手、演奏家、芸人、作家、声優、クリエイターなど、幅広い芸能・芸術分野の人々から篤い信仰を集めている。


そして、何といっても目を引くのが、芸能神社の周囲を埋め尽くす朱塗りの玉垣だ。

そこには芸名やペンネーム、劇団名などが記され、その数は4,000枚以上。ずらりと並ぶ光景はまさに壮観で、車折神社を象徴する風景のひとつとなっている。写真に収めたものは、そのほんの一部にすぎない。

知っている芸能人やアーティストの名前を探して歩くだけでもかなり楽しいのだが、とにかく数が多い。あれもこれもと見ているうちに、あっという間に時間が溶けてしまいそうだ。
芸能の道を志す人にとってはもちろん、京都らしい少し変わった神社の風景を楽しみたい人にも、印象に残るスポットである。

【感謝の石奉納所】「祈念神石」は持ち帰って大切に
本殿で願いを込めた「祈念神石」は、そのまま持ち帰って大切にする。「お守り型」は鞄や財布などに入れて、できるだけ毎日持ち歩くのがよいそうだ。一方の「お札型」は、自宅などの神棚に安置する。神棚がない場合は、目線より高い場所に祀り、日々願いを込めてお祈りする。
そして、車折神社では願いが叶った後のお礼参りも大切にされている。願いが成就したら、自宅の近くや海、川、山などで石を一つ拾い、きれいに洗ってから、その石にお礼の言葉を書き記す。あとは再び車折神社を訪れ、本殿前にその石を納めるという流れだ。

拝殿前には、実際に願いが叶った人たちから奉納された石が数多く積まれている。全国各地から寄せられた石には、それぞれ感謝の言葉が記されており、一つひとつに願いが成就した人の思いが込められていると思うと、なかなか印象深い光景である。
ただし、ここに積まれている石は、あくまで願いが叶った人たちがお礼として納めたもの。間違っても「祈念神石」として持ち帰ってはいけないので注意したい。

最初に授かった祈念神石については、願いが叶った後、境内の古札納所へ納める。お礼の石と祈念神石は、郵送で返納することもできるそうだ。
これで、車折神社がおすすめする参拝の流れはひと通り完了である。お願いして終わりではなく、成就した後の感謝まで含めて一つの参拝になっているところが、車折神社らしい。
叶えたい願いがある人は、この手順にならってじっくり参拝してみるとよいだろう。
【朱塗りの玉垣が続く表参道】「推し」の名前を探すのも車折神社の楽しみ
ここからは、表参道側から境内社や見どころを巡っていくことにする。
表参道から境内へ入ると、右手には駐車場の出入口がある。


そして何より目を引くのが、参道の両側にびっしりと並ぶ朱塗りの玉垣だ。
これらは芸能神社へ奉納されたもので、芸能人やアーティスト、俳優、歌手、芸人、声優、作家、劇団などの名前が記されている。その数はなんと4,000枚以上。参道だけでなく、駐車場周辺をはじめ境内のあちらこちらに並んでおり、車折神社ならではの景観をつくり出している。
せっかくなので知っている名前を探しながら歩いてみたのだが、これがなかなか終わらない。ざっくり眺めるだけでも時間がかかってしまった。
境内では、好きな芸能人やアーティスト、いわゆる「推し」の玉垣を探している参拝者の姿も多く見かけた。この数の中からお目当ての一枚を見つけ出すのは、さぞ骨が折れるだろう。それでも見つけるまで探し続けるのだから、ファンの熱意はすさまじい。

車折神社では、芸能神社への信仰にちなんだ授与品も用意されており、芸能・芸術の上達や人気運を願って参拝する人も多い。推しの玉垣を探して境内を歩くこと自体が、今では車折神社ならではの「推し活」の一つになっているようだ。
参拝だけならそれほど時間はかからない神社だが、玉垣までじっくり楽しもうと思えば、かなり余裕を見ておいた方がよさそうだ。
【推し活お守り】車折神社 × タワレコのユニークな授与品
多種多様な境内社がある車折神社は、お守りの種類もかなり豊富だ。その中でも異彩を放っているのが、いわゆる「推し活」を応援してくれる「推し活お守り」である。
これはタワーレコードが企画したもので、ライブやコンサートの当選、良席祈願など、ファンならではの願いに寄り添うお守りなのだそう。タワーレコードでは2019年から販売されており、京都・車折神社でご祈祷されたご神体がすべてのお守りに納められている。いわゆる「推し活グッズ」のような見た目ではあるが、きちんと祈願されたお守りなのである。
カラーはレッド、ブルー、イエロー、グリーン、オレンジ、ピンク、パープル、ブラック、ホワイトの全9色。推しのメンバーカラーやイメージカラーに合わせて選べるのが面白い。白のみは「心願成就」、そのほかは良席祈願のお守りとなっている。裏面には推しの写真や雑誌の切り抜きを入れられるポケットまで付いており、なるほど、かなり「推し活」に特化した仕様らしい。

これまで芸能人やアーティスト本人が芸能上達を願う信仰はあったが、こちらは応援するファン側の願いにもスポットを当てたところが非常にユニークだ。もちろん良席や当選を約束するものではないが、「次こそ推しを近くで見たい!」というファンの切実な願いを託すには、なんとも車折神社らしいお守りである。
推しの色を選んで鞄につければ、見た目にもなかなかかわいい。車折神社まで足を運べない場合でも、現在は全国のタワーレコードやTOWERmini、タワーレコード オンラインで購入できるのだとか。
境内で「推し」の玉垣を探し、その活躍を願い、さらに推し活お守りまで手にする。芸能神社を擁する車折神社だからこそ楽しめる、現代ならではの参拝スタイルである。
【水神社】昇竜のごとく運気アップを願う
表参道を進むと、左手に「水神社」が鎮座している。龍神様をお祀りする境内社で、神門にもほど近い場所にある。

このあたりは、かつて大堰川の流れが現在よりも近くまで及んでいたとされ、川の氾濫を鎮めるため、水の神である龍神様に祈りを捧げていたことが水神社の由来と伝えられている。
龍は古くから水を司る存在として信仰される一方、天へ勢いよく昇っていく姿から「昇竜」に重ねられ、運気上昇の象徴ともされてきた。水神社でも、その強大な力にあやかり、運気の向上を願って参拝する人が多いようだ。
境内の授与所では、水神社にちなむ「龍頭ストラップお守り」も授与されている。龍をモチーフにした、いかにもご利益がありそうな存在感のあるお守りである。

【辰巳稲荷神社】出会いと金運を願う境内社
駐車場側へ回ると、「辰巳稲荷神社」が鎮座している。御祭神は、お稲荷様として知られる宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)である。

辰巳稲荷神社で特徴的なのが、「縁」と「円」をかけたご利益だ。人との良い出会いやつながりを願う「縁結び」と、金運に恵まれる「円」の両方に通じることから、「縁(円)結び」の神様として信仰を集めている。
恋愛だけでなく、仕事上の良縁や人脈、商売のご縁なども含めて、幅広い意味での「よい出会い」を願えるのが面白いところ。さらに金運のご利益まであるというのだから心強い。

【大国主神社】財運のチャンスを引き寄せる大黒様
辰巳稲荷神社のすぐ隣に鎮座しているのが、「大国主神社」。御祭神は、大黒様として親しまれる大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)だ。

大国主大神は、縁結びの神様として広く知られているが、車折神社の大国主神社では、特に金運や財運に関するご利益で信仰を集めている。金運上昇はもちろん、財運をつかむきっかけや好機に恵まれるともされており、商売や仕事、お金にまつわる願いを託す人も多いようだ。

【清少納言社】知性と美しさにあやかる才色兼備の神様
表参道をさらに進むと、芸能神社の向かい側に「清少納言社」が鎮座している。「枕草子」の作者として知られる清少納言をお祀りする社で、清少納言を祀る神社は日本でここだけともいわれている。
清少納言は平安時代中期に活躍した女房・作家で、一条天皇の中宮・定子に仕えた才女として有名である。一方で、その生い立ちや晩年については分かっていないことも多く、墓所についても諸説ある。そこで、車折神社の御祭神である清原頼業公と同じ清原氏の一族であることから、この地に祠を建ててお祀りするようになったとされている。
清少納言といえば、2024年の大河ドラマ『光る君へ』で、ファーストサマーウイカさんが演じた姿を思い浮かべる人も多いだろう。ちなみに、車折神社にはファーストサマーウイカさんの朱塗りの玉垣も奉納されている。清少納言社と芸能神社、そして現代の俳優の玉垣が同じ境内にあるというのも、なんとも車折神社らしい組み合わせである。

清少納言は、優れた知性だけでなく、華やかな感性や美意識を備えた人物としても語られてきた。そのため清少納言社では、彼女の才知と美しさにあやかる「才色兼備」のご利益があるとされている。
授与所には「才色兼備お守り」も用意されているので、学びや仕事の力を高めたい人はもちろん、自分自身をもっと磨きたいという人にも気になるお守りだ。

本殿まで戻ってきた。これは大鳥居。向こうに見えるのが本殿だ。

【弁天神社】弁財天に祈る「金満美麗」
裏参道の方まで進むと、「弁天神社」が鎮座している。お祀りされているのは、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。弁財天と習合した神様としても知られ、古くから芸能や財運、美のご利益で信仰を集めてきた存在だ。

車折神社の弁天神社では、とりわけ「金満美麗」という言葉が印象的である。金運や財運に恵まれながら、美しさも兼ね備えた豊かな人生を願うという、なんとも欲張りで華やかなご利益だ。
絶世の美女ともいわれる弁財天にあやかり、外見だけでなく、日々の暮らしや心まで豊かにしていきたい。そんな願いを込めてお参りするのもよさそうである。

車折神社の境内は、決して広大というわけではない。ところが実際に歩いてみると、見どころの密度がとにかく濃い。
芸能神社を取り囲むように並ぶ圧巻の朱塗りの玉垣は、知っている名前を探しているだけでも時間を忘れてしまうほど。さらに個性豊かな境内社は一つひとつのお社に異なる由緒やご利益があり、立ち止まってお参りしているうちに、気がつけばかなりの時間が経っていた。
車折神社ならではの多彩な信仰と景観を楽しみながら参拝させていただいた。
平安の雅と御所車の縁を一冊に【車折神社にぴったりの御朱印帳】
今回の車折神社の参拝リポートはいかがでしたでしょうか。
境内には、「清めの社」や「祈念神石」、清原頼業公を祀る本殿、芸能人の名前が並ぶ芸能神社の朱塗りの玉垣など、車折神社ならではの見どころが凝縮されていました。境内社も多く、じっくり巡るほど魅力が見えてくる神社です。
そんな車折神社の参拝におすすめしたいのが、友禅和紙御朱印帳「金扇御所車柄」です。

金地に華やかな扇と御所車をあしらった一冊で、特に印象的なのが「御所車」の意匠です。車折神社の社名は、後嵯峨天皇の牛車にまつわる故事に由来すると伝えられており、「車」のモチーフは神社の歴史ともよく重なります。
また、末広がりの扇は、繁栄や発展を象徴する縁起のよい意匠です。学業成就や商売繁昌、良縁成就など、車折神社で願うさまざまなご利益とも相性のよいデザインといえるでしょう。
平安時代後期を生きた清原頼業公を御祭神とし、境内には清少納言を祀る社もある車折神社。御所車や扇が描かれたこの御朱印帳は、そんな平安の雅を感じさせる一冊でもあります。
今回いただいた車折神社の御朱印には、小さな車輪の朱印が添えられていました。その一枚を「金扇御所車柄」に収めれば、社名の由来と御朱印帳の意匠がつながり、参拝の記憶をより印象深く残せるはずです。
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