14種類の着物反物を使用した『宝島』御朱印帳式製本事例
「約10社に問い合わせましたが、予算と納期が合うところはほとんどなく、概要を伝えた段階で断られることが続き、無理なのかもしれないと思いかけていました。」
東京・西荻窪の出版社、株式会社ミモザブックス様よりいただいたお言葉です。
本案件は、御朱印帳式製本を応用した小説本。
複数種類の着物反物を使用する特装本という、難易度の高いご相談でした。
ご依頼社
ミモザブックス株式会社 様
東京・西荻窪の出版社様。
「物語のちからに、祈りをこめて」をモットーに、文芸書を中心に、明日を照らす作品を刊行されています。
WEBサイト:https://mimosabooks.co.jp/
案件概要

作品:森見登美彦 作『宝島』
シリーズ:「GIFT STORYーBirthdayー」第三弾
※印刷製本を担当
仕様:
・蛇腹式製本(御朱印帳構造)
・サイズ:155㍉×110㍉
・ページ数:24山48面 (48ページ)
・表紙:14種類の着物反物
・表紙加工:金箔押し
・本文印刷入り
御朱印帳ではなく、印刷入り蛇腹小説本という点が特徴です。
初版では14種類の反物を使用
同一仕様で、14種類の異なる素材を使用しています。

商品詳細:https://mimosabooks.base.shop/items/128690571
今回の製本で難しかった点と、その対応
① 表紙が14種類の着物反物
→ 工程を手作業へ切り替え
同一素材ではなく、素材ごとに厚みや織りの特性が異なります。
通常、同一素材で数量がまとまる場合は表紙貼りを機械で対応します。
しかし今回は素材が多種にわたるため、素材ごとに機械調整を行うよりも、精度を優先し手作業へ切り替えました。

工程を機械に合わせるのではなく、素材に合わせて工程を選択しています。
なお、今回の表紙貼り工程は、大阪の巽紙工株式会社様にご協力いただきました。
表紙貼りや箔押しを得意とされる、確かな技術をお持ちの会社様です。
② 素材ごとに異なる箔押し特性 表紙が14種類の着物反物
→ 素材別に圧を調整
箔押し工程では素材ごとに圧の調整が必要です。
・圧が強すぎる → はみ出し
・圧が弱すぎる → 剥がれ
素材の特性を見ながら圧を微調整し、仕上がりを安定させています。
③ 小説本のため丁合作業が必要
→ 1冊ずつ乱丁、不良がないか確認
御朱印帳は無地奉書紙を使用するため、枚数確認のみで製本できます。
しかし本作は本文印刷入り。
ページ順に折丁を並べる「丁合作業」が発生します。


1冊ずつ乱丁(ページ順の誤り)がないか確認しながら製本を進めました。
④ 小ロット × 納期制約
→ 迅速な見積提示と納期提示
発売日に間に合わせる必要があり、予算と納期の両立が求められました。
仕様調整に伴い、複数回のお見積り依頼が発生しましたが、その都度短期間で見積を提示。
クライアント様からは「繰り返しお見積りをお願いしたのですが、いつも短期間で出して下さって検討がしやすかった」と評価をいただいています。
また、納品までに必要な日数についても明確に提示し、「どこよりも早かった」とのご感想をいただいています。
これまで多くの御朱印帳製本を手がけてきた経験を活かし、仕様に合わせて最適な工程を選択し製本しました。
ミモザブックス株式会社様の声
今回の製作について、ミモザブックス株式会社様にお話を伺いました。
製本会社探しでどんなことが不安でしたか?
できるだけ自社で和本製本の技術をお持ちの会社にお願いしたいと考えておりました。
和本をつくるのが初めてで、どこの会社が御朱印帳を得意とされているのかも全然分からない状態でした。
その後、人に教えていただいたり、検索してみつけた約10社にお問合せしてみたのですが、予算と納期が合うところはほとんどありませんでした。
こちらの本の概要をお伝えすると、ご相談の余地もなく断られることが続き、無理なのかもしれないと思いかけていました。
日宝綜合製本を選んだ決め手は何ですか?
どなたかからのご紹介でもなく、はじめはHPからお問合せしました。
表紙には複数種類の持ち込みの生地を使い、更に中面には小説を印刷したいというややこしいご相談でしたのに、最初のご返答からとても前向きにやってみたいと仰って下さって驚きました。
その後、繰り返しお見積りをお願いしたのですが、いつも短期間で出して下さって検討がしやすかったです。
納品までに必要な日数もどこよりも早かったので、それも決め手の一つでした。
そして、御朱印帳の製本に非常に慣れていらっしゃるということも安心でした。
完成後のご感想をお聞かせください。
商品は本当に美しい仕上がりで、見る度にうっとりしています。
蛇腹の貼り合わせは特に職人技を感じられる部分で、一つ一つ手仕事で仕上げて下さっているのに感動しております。
裏打ち、裏張り、箔押しなど、関わって下さった職人さんたちの技術の高さを実感する特別な一冊になりました。
高価格帯の商品ですので、読者の方の反応をドキドキしながら見ていたのですが、沢山の方に本の美しさをお褒めいただいております。
刊行から1ヶ月で3刷まで重版をかけることができたのも製本の美しさのおかげだと思っております。
特装本をつくるのは試行錯誤の連続で、本当にこれで良いのか、これで喜んでもらえるのか、と不安に陥ったりもします。
今回の『宝島』は今まで一番難易度の高い本でしたが、当初から思い描いていた通りの本になりました。
私の希望をそのまま形にしていただけたことに改めて驚いております。
初版では14種類もの生地を表紙に使いましたが、ここまで多い種類の生地の持ち込みはどう考えても他の会社では引き受けてもらえていなかったと思います。
担当の松尾さんには終始前向きにこちらの希望に寄り添っていただき、諦めなくても良いと励ましていただいていたように感じました。
本当に心強かったです。
温かく接して下さり、美しい本をつくって下さった日宝のみなさまに心から感謝しております。
特装本をつくってみたい出版社や、本を作ったことがない個人の方にも全力でお勧めしますので、一度ぜひご相談してみてほしいです。
今回の製作について、ミモザブックス様からも記事にしていただいております。
是非下記リンクから拝読ください。
note:https://note.com/mimosabooks/n/n0e7817810b4b
他社で難しいとされた仕様でも、まずご相談ください!
今回のミモザブックス様のような条件でも、製本は可能です。
御朱印帳とは異なり、印刷が入るページ物や、ページ順が重要な冊子の製本にも対応しています。
例えば:
・鉄印帳
・スタンプ帳
・印刷入り蛇腹製本
・小ロットの特装本
デザインがすでに決まっている場合や、生地などの素材を持ち込みたい場合もご相談いただけます。
他社で一度お断りされた仕様でも構いません。
仕様が固まっていない段階でも大丈夫です。
まずはご希望をお聞かせください!

ご相談はお気軽にどうぞ!
お電話でのお問い合わせは
086-275-7863まで。










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